関西に住んでいた時に、若手としていろいろな番組に出ていたのを覚えています。
正直、それほど好きな芸人さんではありませんが、
こうやって嬉しいニュースを聞くと、明るい気持ちになれます。
ひとつエッセイを読み終えました。
この本のいいところは、「病気」になる前、医療へつながる前のエピソードが豊富だということ。
病気になってからの治療経過って、精神疾患の場合、病気ごとに大体セオリーが決められているので、経験者にとってはあまり読んでいても面白くないんです。正直。
読み物としてのおもしろさは、薬の合う合わないのはなしか、入院するかしないかくらいだと思います。私的な見解ではありますが。
でも、この本はちゃんと前段階が書かれている。「普通」に仕事をしているようで、内面では大きな混乱と葛藤を抱えていること。仕事を着々とこなし評価される中で、自分の何かが擦り切れていく恐怖。いけないと思いながら、誤ったものへ自分を委ねてしまう何とも言えないもどかしさ。こういうものがきちんと記されています。
家族や周りの人にとっては、突然かもしれないけれど、想像している以上に本人は自分の変調に気がついていると思うんです。「病識」は確かにないかもしれないけれど、足元が崩れていくのに止められないもどかしさは、確実に本人の中にあります。よく寛解した人が「今思うとあの頃からおかしかったんですね」といった発言をされますが、正しくその感じ。病気じゃないけど変、なんか「いつも」通りにいかない。そして、それが警報として自分の中では鳴っているけど、どう表現したらいいか(というかそもそも表現していいものなのか)わからない。
これって、すごい恐怖ですよ。
その過程が書かれているので、すごく安心して読めました。筆者がシナリオライターであることがそのうまさの秘訣なのかもしれません。きちんと「お話」として書かれているように思えます。
ちょっと偉そうな感想ですが、精神疾患に関して、当事者としてわかってほしいことなので書きました。